カンブリア宮殿で、100年の歴史を持つ㈱モリタの
『社員が激変する企業改革術!名門企業の慢心に逆襲 』
を見ました。

200億円もの借入金を返済した上での、V字回復を遂げた
(株)モリタ。
消防車一筋、100年。消防自動車トップメーカーのモリタは、
財政難で購入を控える自治体を相手にしながら4期連続の増収増益
を成し遂げ、圧倒的な技術力で、はしご消防車のシェア9割以上を
達成しています。
カンブリア宮殿(テレビ東京)はこちら
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/
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<魔法のレシピ>
企業理念を毎日意識して、行動に落とし込もう
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◆1990年代半ば、㈱モリタの業績は下がり続けていました。
それを再建したのは・・・
破綻した山一證券の、元副社長から転進した
新村鋭男(しんむら・としお)現会長でした。
新村社長は、業績が低迷していた100年企業㈱モリタに
三顧の礼で迎えられました。

◆㈱モリタに来て新村社長は驚いたそうです。
・工具や備品はちらかり、整備されずに放置されている。
新村社長が、このことを指摘すると
「我々はこれまで、このやり方で業界TOPでやってきたのです。」
というのです。
・さらに社員の電話の応対は『はい、モリタです。』と
電話に出て自分の名前すら名乗らない。
㈱モリタの名前でしか仕事をしていない社員。
・極めつけは、無借金といわれていた㈱モリタに
200億円の借金があった。
「営業利益が20億円、金利の支払いが10億円、これで経常利益が
10億円では・・・
これは会社ではないじゃないか?」
当時の㈱モリタは業界のTOPとして慢心した
末期的な企業だった。
◆新村社長は、同じような元名門で100年企業を知っていた。
それは破綻した山一證券だった。
山一證券時代に、新村氏は証券マンとして副社長まで登りつめた。
新村氏はこの後、山一証券の社長に『飛ばし』の実態を調べるように
依頼された。
そこで『飛ばし』の実態を調べてみると、山一証券には2600億円
の損失があることを知ります。
新村氏が、その事実を山一証券の社長に報告すると・・・
事情を知りすぎた、新村氏は子会社に移動を命じられます。
もし2600億円もの損失が明るみに出たら、山一證券の社長は
当然、進退問題にかかわります。

◆「このとき山一証券の社長は、山一證券という会社よりも
自分の私欲を大切にしたのではないでしょうか?」
という村上龍さんの質問に、新村氏は・・・
「山一証券の社長は自分の椅子を守ろうとしたのかもしれない。
野望がでてきた、そして私欲がでてきたのだと思います。」
さらに1万人の社員がいた当時の山一證券で、すくなくとも
100人くらいは、損失に氣づいていて、このままにしておいたら
山一證券は破綻することに氣づいていたのではないか?
そして、当時の山一証券が、新村氏が調査した段階で、しっかり
損失を認め改善をしていけば再建の可能性もあったかもしれない。
と話されていました。
◆ところが、新村氏は山一證券で子会社に転勤させられて
しまった。
この数年後・・・山一証券が破綻して、そこに勤めていた
1万人の社員の職がなくなり、さらに株主や社会に大きな波紋を
生みました。
山一証券の社長は、涙の破綻会見で・・・
「社員は悪くはありません。皆、私たちが悪いのです。」
と謝罪しました。
◆この修羅場を山一證券で経験してきた新村社長は・・・
「新村社長が、業績が低迷していた100年企業である
㈱モリタに三顧の礼で雇われた理由は
㈱モリタ内部の人では、既得権益があり改革ができない
からではないでしょうか?
『自己否定をしないで、改革はない』」といいます。
◆㈱モリタでは、社長が新村社長になってから、社員は毎朝、
企業理念を暗証して、さらに暗記、復唱するようになりました。
実は元々、㈱モリタには企業理念がありました。
ところが、これはただ額に入れて飾られているにすぎない
お題目となり、殆どの社員には忘れさられていました。
㈱モリタの企業理念
「当社は心をこめたモノづくりと、絶えざる技術革新で
安全で豊かな住みやすい社会づくりに貢献し、社会との
調和をはかります。」
企業理念がはっきりして、さらに会社が進む方向がはっきりしている
という前提があれば、企業は間違った方向にはすすみません。
新村社長は、毎朝この企業理念を、組織の社員一人ひとりに落とし
込む習慣をつけました。
◆それでは「企業理念は、どうして役にたつのでしょうか?」
新村社長はいいます。
企業は「儲ける前に、まず会社はどういう存在なのか?」
これが一番の大切なのです。
なぜなら、これは社員が自分の会社や仕事をリスペクトすること
だからです。
そしてこれは新村社長が松下電器産業に通い、高橋荒太郎氏から、
「松下電気産業のあり方はこういうことなのだ。」という姿勢を
学んだことなのだそうです。
松下電器は、だからベクトルがあって強いのです。
つまり「会社はこういうことを考えています。」ということを
社員一人ひとりが共有すること。これが会社の命なのだ。
ということです。

◆さらに新村社長は、組織の役割を明確にしました。
事業部をそれぞれ分けて、会社にした。
事業部長をそれぞれ社長にした。
するとある部門は、すぐに黒字になり、7年連続、右肩上がりで
売り上げや利益を伸ばしつづけています。
新村社長はこうして、㈱モリタに企業理念を落とし込み
会社の方向と、役割(責任)を明確にしました。

◆村上龍さんはいいます。
「組織のなかでは、常に抗争が起きている。
もしも組織の中で、変化を嫌う既得権益層が力を持てば、
その組織はやがて崩壊する。」
新村社長は教えてくれます。
「会社は利益がないと存続できません。
ただしその前に、この会社は何の会社なのか・・・?
つまり、会社はこちらの方向に進んでゆきます。
ということを社員と共有化することが一番大切なのです。」

◆経営理念や社是がある企業は多いと思いますが
その経営理念を、毎日、毎日、徹底的に落とし込み
実践している企業は、少ないように感じます。
本田技研工業㈱の創業者である、卓越した経営者である
本田宗一郎氏は
『理念なき行動は凶器、行動なき理念は無意味』
という名言を残されています。

経営理念とは、経営者が企業の運営にあたって、経営の目的を
明確化して、その目的を実現するために、その組織 が 共有すべき
価値観(モノの考え方)を明文化(文章化)したものです。
つまりこの経営理念を明確にして、さらに日々、組織で共有化させ
各自の役割をより明確にすることで、最も大切な会社のベクトルが
合い、真の意味で、名門企業が生まれてくるのでしょうね。
有難うございます。
◆「あなたの会社は、何の会社ですか?」
「あなたの会社は、どちらの方向に向かっているのでしょうか?」
「あなたの会社では毎日、社員一人一人がどのように
企業理念を意識して、行動に落とし込んでいますか?」
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<魔法のレシピ>
■ 組織の中で、変化を嫌う既得権益層が力を持てば、
その組織はやがて崩壊する
■ 企業は「儲ける前に、まず会社はどういう存在なのか?」
これが一番の大切である
■ あなたの会社は、何の会社で、あなたの会社は
どちらの方向に向かっているのでしょうか?
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<さくらのB級グルメ>★★★

イタリアンレストランのサイゼリヤで、赤ワインに
シェフサラダ、フォカッチオに
スパゲティー・ミートソースをいただきました。

サイゼリヤのミートソースは
オージービーフ100%使用して牛の旨みをいかした
自家製ソースをつくられています。

これが赤ワインと、熱々でふっくらしたフォカッチオに
よく合いますね。

いつも素敵な時間を有難うございます。