人間心理
映画『タイタンズを忘れない』のDVDを観ました。
人種差別が渦巻く1971年教育改革によりヴァージニア州に生まれた白人黒人混合の高校フットボールチームの選手達が、肌の色が違うというだけでお互いいがみ合いながらもスポーツを通じて徐々に分かり合い、周囲の人々をも巻き込みながら、奇跡を起こしていくという実話を基にした映画です。

経営や組織で、全くかみ合わない人間がどのように目的を実現していくのか?
人として大切なインスピレーションを感じることができる映画ですね。
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<魔法のレシピ>
人間心理をより深く理解しよう
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◆人種差別が強く根付く1971年ヴァージニア州アレクサンドリアの州立T.C.ウィリアムズ高校のアメフトチームのコーチに黒人ハーマン・ブーン(デンゼル・ワシントン)がアシスタント・ヘッドコーチとして雇われ迎え入れられ、白人と黒人の混合チームが生まれる所から始まります。

◆当初ブーンは、白人ヘッドコーチのビル・ヨースト(ウィル・パットン)のアシスタントとして雇われますが、全人種が平等に扱われなければならないと言う世論の動きに後押しされた教育委員会はヨーストを降格させ、黒人コーチのブーンを「タイタンズ」のヘッドコーチに就任させる事を決定します。
その通達を聞いた両人はそれぞれ難色示します。

◆何故なら当時は、黒人が下手に白人の上に立つような真似をすれば人種差別主義者に狙われる事をブーンは知っており、白人コーチのヨーストもまた州立高校よりはるかに高額の報酬で雇ってくれる大学のフットボールチームが彼に打診してきたからです。

◆ところが、黒人コーチのブーンは近所に住む黒人達から、「自分たちの誇りと才能を示すためにヘッドコーチになってくれ」と頼まれ、白人コーチのヨーストも生徒の保護者達から「自分の子供を黒人コーチの下に置きたくない。」と言う声に後押しされ、それぞれが教育委員会の通達に従います。

◆最初はお互い「恐怖に支配されて」いて、白人、黒人共に歩み寄ろうとせずにいがみ合ってばかりいます。
そんななか「タイタンズ」は、街を離れ、ゲティスバーグで合宿を行います。
合宿でもケンカが絶えず、チームとして機能しない日々でしたがあるときブーンは白人も黒人もお互いに全員と話をすることを強制させ、さもないと1日の練習を3回にすると言い出します。

◆渋々従う選手達、そして、ブーンはゲティスバーグの南北戦争決戦地で・・・
「お互いわかり合えなければ私たちもここで終わりだ」と説きます。
そんなブーンの声が届き始め、選手達は徐々にお互いに心を開き始めます。

そしてカリフォルニアからの編入生ロニー・サンシャインを迎え彼の肌の色にとらわれない態度も次第にチームメイト達を一つにしていきます。

◆合宿で一つになったタイタンズでしたが、いざ学校に帰ってみると街には相変わらず人種差別が渦巻いていました。
またバラバラになりかける選手達でしたが、リーダー格のゲーリーやジュリアスは
「コーチに頼りっきりじゃだめだ。もう一度一つになろう」と試合前のウォーミングアップを自分達でダンスをすることを提案します。

◆自分達の結束を強固なものにしていくタイタンズは州の大会で順調に連勝していきます。
途中で黒人コーチのブーンは同僚の黒人教師から教育委員会は「もしタイタンズが一回でも負ければ、ブーンの責任にしてブーンをクビにする意向だ」と聞かされますが、そのままいつもどおり指導をつづけます。

◆白人コーチのヨーストも高校殿堂入り投票委員会から
「次の試合は、タイタンズの負けが決まっていてそこでブーンのヘッドコーチは終わり、君が殿堂入りだ。」と八百長試合の事実を知らされます。

◆次の試合では、明らかに「タイタンズ」に不利な判定が続出します。
ところがヨーストは審判に「新聞に本当のことをばらす」と八百長をやめさせ、この試合に逆転勝利します。
試合後、白人コーチのヨーストは委員会から「君の殿堂入りはなくなった」と告げられます。
こうして白人コーチのヨーストは自分自身の殿堂入りよりもチームの勝利を選びました。

◆その後もタイタンズは強豪校を次々に倒し、ついに決勝戦に駒を進めます。
しかし、決勝戦の前に思いもよらない出来事が…。
ここからはDVD「タイタンズを忘れない」をお楽しみください。

最後に、実在のブーンやヨースト、タイタンズの選手達が高校卒業後に、どんな道を歩んだのかも紹介されています。

◆DVD「タイタンズを忘れない」のなかで、ヨーストもブーンも、コーチとしてだけでなく、人間としての高い規準を持ち続け、どんな時もタイタンズの勝利のために「良心」に反しない行動をしていくところが大きな学びになりますね。

◆米国の心理学者ザイアンスが1965年に発表した実験データで「ザイアンスの法則」という人間心理があります。
1:人間は知らない人には攻撃的、冷淡な対応をする
2:人間は会えば会うほど好意を持つようになる
3:人間は相手の人間的な側面を知ったとき、より強く相手に好意を持つようになる

◆この「ザイアンスの法則」はコミュニケーションの基礎ということですが・・・
実は、マーケティングや営業の世界でも「大切な法則」です。
①どんな人でも知らない人との接触は緊張をともないます。
②ところが「TVのCM」などでも毎日15秒の出会いを10日間繰り返せば、無意識に好意を持たれる確率が高くなります。
③さらに、お互いの子ども時代や家族関係や趣味など人間的な側面を深く理解すると、さらに好感が持てるようになります。

◆映画「タイタンズを忘れない」で、黒人コーチのブーンが対立していた、白人の学生と黒人の学生を同じバスに乗せたり・・・
合宿の食事のテーブルや部屋を一緒にさせたり・・・
さらに、全員がお互いを理解するまで質問をさせたり・・・
しながらチームが一丸となっていき、タイタンズが潜在脳力を発揮していくステップは人間心理の「ザイアンス法則」にも沿っているのですね。
楽しく、深い感動を感じる映画を有難うございます。
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<魔法のレシピ>
■人は知らない人に冷淡である
■人は会えば会うほど好きになる
■人は知れば知るほど好きになる
ザイアンスの法則より
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