国債
民主党代表に就任し、菅直人氏が次の首相となることが決まりましたね。
菅直人氏は6月4日午後の記者会見で、消費税率の引き上げについては「過去に言ったことを変えるつもりはない」と述べました。
菅氏は「次期衆院選前の消費増税論議を排除しない」考えを示しました。
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<魔法のレシピ>
政府に期待しつつも、個人の対策をととのえよう
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◆菅直人氏は
先月5月2日、財務・経済財政担当相として
『日本国債の累積赤字が対GDP比で200%に達してしまったこと』について
「これ以上今までのようなペースで赤字を積み上げることは
マーケットの信認という意味で許されない」と述べ、財政出動に必要な財源は税改革で確保する必要があるとの見解を示しました。

◆ 大前研一さんは、日本の財政状況について、日本国内では誤解を招くような意見が散見されているといいます。
例えば
・「日本は実際にはそれほど債務を抱えていない」
・「外国人が日本国債を買っているわけではないから安心だ」
・「国民の金融資産1400兆円があるから大丈夫」
といった類のものです。

◆1400兆円の国民の資産とは言っても、本来は国の借金とは全く別のポケットに入っているお金です。
国が「国民のお金をパクらない限り」この国民の金融資産1400兆円をアテにすることはできません。

◆「国が保有している資産があるはずでは?」と思う人もいるかも知れませんが、国有地や東京大学などの資産はキャッシュにすると二束三文になってしまいます。
金融危機においてはキャッシュしかモノを言わない状況になるので、こうした資産をアテにすることはできないと考えるべきです。

◆それでも「まだ4年の猶予がある」というような発言をしている学者もいますが、その考えはあまりにも機械的で、人間の心理を考慮していないと思うと大前研一さんはいいます。
今年でも来年でも、数年後には確実にデフォルトするという、未来が見えたら、その時点でジ・エンドになるのです。

◆ 実際、ギリシャの危機も「いよいよギリシャが危ない」というタイミングでCDS(クレジット・デフォルト・ スワップ)を一気に売り浴びせる人たちが出てきたために引き起こされています。
実は日本国債についても同じような動きが見え始めています。

◆ つまり、「日本国債がデフォルトしたら儲かる商品」が次々と売り出されてきているのです。
こうした事態を考えると、もはや日本には一刻の猶予もないと自覚するべきでしょう。

■ そして、国民としては政府に期待しつつも、日本国がデフォルトするような事態について、その対策についても考えておくべきかも知れません。
何事も同じですが、他人よりも少し早く動くということが大切なポイントだと思います。
『 大前研一ライブ 2010.5.9より 』
※株式講座名:世界経済を読むより
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<魔法のレシピ>
■経済のトレンドに敏感になろう
■良い意味での危機感をもとう
■価値のある情報を集め、自分自身で判断しよう
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