ジエームス・スキナーさんの現在の金融危機に対する考えをCDでお聞きしました。
ジエームス・スキナーさんは過去に、ファンドを経営していたこともあるそうです。
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<魔法のレシピ>
金融の規制が変わると、金融が変わる
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◆今から81年前・・・
1929年の大恐慌の原因は、10月24日の「株価の暴落」でした。
ちなみに、Jスキナーさんは、株価の暴落とは「株価の下がった幅」ではなく「株価が下がる幅と市場の速度」だといいます。
株価が20年で50%下がるのと、1日で50%下がることの違いですね。
1929年に、なぜ株価が暴落したかというと、当時多くの投資家が、
「より早く、より大きく儲けよう」と考えて
銀行からお金を借り、投資にレバレッジをかけていたからです。
◆ところが、一度、株が下がり始めると
実力以上にレバレッジで膨らんでいた投資資金は銀行に返せない。
・個人や企業がお金を失い、銀行の業績が悪くなる。
・多くの人は新聞を読んで、不景気になると感じるとさらにお金を使わなくなります。
・こうして消費が抑えられると、企業の売上が低迷する。
・すると、さらに株価が下がるというスパイラルに入ります。
もちろん、全ての企業や個人というわけではありませんが・・・
◆サブプライムローン問題から始まった、今回の金融危機は証券化商品に大きなレバレッジをかけて販売していたのが大きな問題となっています。
例えば「オプション取引」というのは「貸付金での取引」
つまり「レバレッジ」なのです。
そして、どのようなメカニズムでレバレッジが大きくなるのか?
というと・・・
①ストライクプライス 50ドル、プレミアム2ドルのオプション
取引というのは、25倍のレバレッジのことです。
②これにヘッジファンドは、さらに4倍のレバレッジをかけて売ります。100倍のレバレッジです。
③ファンズ オブ ファンズは、これにさらに4倍かけて売ります。400倍のレバレッジです。
④証券会社はユニットトラストといって、これにさらに1.5倍のレバレッジをかけて売ります。600倍のレバレッジです。
◆この証券化商品は、リスクヘッジのために債権を分散しているという名目で、支払いに不安のあるお金を返せない性質の人(サブプライム)の債権まで混ぜ合わせて販売したのです。
さらに、これらの証券に格付け会社がAAAををつけ銀行や証券会社は、売りまくったのです。
◆Jスキナーさんは、いいます。
「金融の規制が変わると、金融が変わる」
もともと今回の金融危機は「バゼル」という規制が大きな要因になっている。
この規制は
『銀行が融資する場合に8%の自己資本が必要ですよ。』
というものです。
これは銀行からしてみると
「銀行の事業を小さくしなさい。」というようなものです。
◆銀行の経営者は、黙って、事業を縮小したら、クビが飛びます。
そこで、世界で頭の良い銀行の幹部達が、証券化商品をつくり
高い利息や手数料を得てこれらの証券化商品を売りまくりました。
◆Jスキナー氏は、規制について教えてくれます。
・銀行と証券会社はレバレッジをかけられない規制をすること
・1万円しか資本がない人には、1万円以上貸してはいけない
これにより過去50年間、は世界経済は成長しきたのです。
これからも「金融システム」はなくならないのでしょうが「金融システム」は大きく変わるかもしれませんね。
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<魔法のレシピ>
■金融システムは大きく変わる
■銀行と証券会社はレバレッジをかけられない
規制が必要である
■1万円しか資本がない人には1万円以上貸してはいけない
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